ソ連戦車

T-39重戦車とは -最強の多砲塔戦車を1/144で紹介

多砲塔戦車大国ソ連が誇る、多砲塔戦車の中でも攻撃力・防御力共に優れた戦車、T-39重戦車です。4つの砲塔と十分な装甲に支えられていて、エンジン出力もティーガーⅡ重戦車を上回っています。
しかも、この戦車は1933-34年に計画されていて、後にドイツ軍を苦しめたKV-1重戦車よりも6年も早くに構想が練られていました。計画・モック作成にとどまりましたが、もし生産されていたらどのような活躍ができたのでしょうか。

1/144 T-39 砲塔が4つもあると強力そうに見える。。。

T-39重戦車の性能(スペック)

T-39重戦車は102mm搭載型と、152mm砲搭載型の2種類があります。どちらも強力ですが、より強い152mm搭載型について紹介します。

火力 :★★★★☆
防御力:★★★★☆
機動性:★☆☆☆☆

火力

1930年代に計画された戦車としてはかなり強力です。主砲の152mm砲は”虎殺し”と言われるほどで、1944年に前線に出てきたISU-152(JSU-152)自走砲が搭載しているものと同じなのです。そんな152mm砲ですが、152mmという大きい大砲であるため、射距離に関わらず分厚い装甲を削り取ることができます。射程2,000mで108mm1,000mで125mm、500mだと133mもの装甲厚を貫通可能となります。1942-44年以降にでてくるティーガーⅠやパンターが相手でも十分に対応可能ですね。さらに、副砲に45mm戦車砲が3門もあります。45mm戦車砲は1,000mで48mmの装甲を貫通できます。大戦初期のドイツ軍の主力戦車であるⅢ号戦車の装甲は1,000mで貫通できる程度の能力で、これが3門もありました。総合した攻撃力は高いです。
歩兵用の機関銃があれば完璧だったかも。

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防御力

装甲は全周90mmであり、1930年代の戦車としては非常に強力です。1930年代当時の戦車としては、最大装甲厚が30mmのものが主流でしたが、その3倍にもあります。また、KV-1やティーガーⅠ重戦車の前面装甲以上に重装甲であり、時代の最先端を超えていた防御力と言うことができます。

機動力

最大速度はエンジンの出力によって別れていていて、1つめ出力970馬力で24km/hと必ずしも早いわけではありませんでした。重戦車の中でも遅い部類に入ります。ただ、もう一方のエンジンの出力は1150-1300馬力とさらに強力で、最高速度も33km/hと標準的な重戦車の速度を出すことができる想定でした。

T-39重戦車がもし実用化されていたら?

T-35多砲塔重戦車を80輌も生産したソ連の工業力をもってすれば、40-50輌は生産できていたのではないでしょうか。配置されるとしたら、平坦な地形が多いウクライナの草原地帯かモスクワ近辺だったのではないでしょうか。(この巨体で山がちな地形を自由に動かすことは難しいと思います)

1941年のドイツによるソ連侵攻に合わせて、ドイツ戦車と戦火を交えていたと思います。当時のドイツ軍は前線にⅢ号戦車、Ⅳ号戦車を配置していたため、これらの戦車と戦いを交えることとなります。戦場としてはウクライナの大平原や、市街地での防衛戦が想定されます。はっきりいって、この戦車はスペック上はドイツの中戦車相手だと無敵と言えるレベルでした。

v.s. Ⅲ号戦車

1/144 Ⅲ号戦車とT-39 複数相手でも多砲塔戦車戦車であれば互角?


Ⅲ号戦車の攻撃にT-39多砲塔重戦車が耐えられるかどうかですが、Ⅲ号戦車がどの位置から攻撃してもT-39を撃破することは困難であり、圧倒的に優位に立つことができます。Ⅲ号戦車(初期型)の主砲である37mm戦車砲は、1,000mで37mm、500mで50mmを貫通できる程度で、後期型の主砲50mm戦車砲では、1,000mで48mmの貫通力です。一方でT-39の防御力は、装甲の全周が90mmと強力であるため100m以内からの射撃でも耐えうることができました。ほぼ、撃破不可能というほどの無敵ぶりです。

また、T-39多砲塔重戦車からⅢ号戦車を撃破できる有効射程距離ですが、主砲であれば2km先からでも撃破可能でした。しかも、副砲からでも800m先から撃破可能です。

このようにⅢ号戦車が相手だと、アウトレンジからボコボコと相手を倒すことできる、かなり優秀な戦車ということができます。

v.s. Ⅳ号戦車

ではⅣ号戦車相手だとどうでしょうか。Ⅲ号戦車よりも強力で、対戦中期以降は主力として、終戦まで活躍した(させられた)中戦車です。

T-39がⅣ号戦車の主砲に耐えられるかどうかですが、Ⅳ号戦車(初期型)の短砲塔の75mm砲の攻撃力は1,000mで47mm、500mで54mmを貫通できますが、やはりT-39の90mmの装甲を貫通するには不十分であると言うことができます。こちらも100m以内の射程に入っても撃破は困難であったでしょう。
また、Ⅳ号戦車であっても装甲の貫通は容易でした。なにせ初期型は概ね最大装甲厚が30-50mmであるため、こちらも2km先からでも撃破可能です。

v.s. ティーガーⅠ重戦車

1/144 ティーガーⅠ重戦車

ドイツ軍の Ⅲ号戦車・Ⅳ号戦車相手だと無敵を誇るT-39多砲塔重戦車ですが、ドイツ軍でも数多くの伝説を残すティーガーⅠ重戦車が相手だとどうでしょうか。
まず、ティーガーⅠの火力に対してT-39がどこまで耐えられるのかですが、88mm戦車砲の火力だと1,000mで123mm、2,000mで93mmの装甲厚を貫通可能であるため、T-39の90mmの装甲厚だと1,500mはおろか、2,000mも離れていても、撃破されかねなかったことでしょう。
一方で、T-39側も長距離からティーガーⅠを撃破することは可能でした。ティーガーⅠの最大装甲厚は100mmであり、理論上は2,000離れていてもT-39はティーガーⅠ重戦車を撃破可能です。ここまでくると、乗員の練度の高さや士気、連携の要素の方が大きく左右してきそうですね。

このように、T-39重戦車はドイツ戦車相手でも優位に戦うことができるスペックをもっていました。もし実用化されていれば伝説の戦車となったかもしれません。ただ、実用化されたT-35重戦車の信頼性も見るにもしかするとそこまで柔軟に起動できず、スペック通りの性能を発揮できなかったかもしれません。

1/144サイズのT-39多砲塔重戦車

T-39はそもそも実用化されていないマイナーかつ、日本語の資料すら少ない戦車であるため、1/144(144分の一サイズ)だとみつことが非常に難しいです。唯一、1/144戦車界隈では品揃えが豊富なアトリエインフィニティーにて販売されています。

1/144 塗装済み完成品

アトリエインフィニティー製

アトリエインフィニティーでは、1/144の塗装済み完成品と、塗装なしキットの両方が販売されていています。特に、1/144の塗装済み完成品はキットのフォルム、塗装品質と申し分がなく、これまで見てきた1/144サイズの中でも1、2を争うほどの品質だと思います。唯一欠点をあげるとすれば、その塗装が少しはがれやすいので、ウェザリング等でメンテナンスが必要が場合があることでしょうか。ただ、これは経年劣化による点も大きいので仕方ないかな。。

アトリエインフィニティーではバラ売りで個々の1/144サイズの戦車を変えるため、お金があれば同じ種類の戦車をずらっと並べ、戦車師団なんのも作れます!(いっぱい集めたい、、、)

1/144 T-39 152mm砲搭載型

1/144 T-39 107mm砲搭載型