ソ連戦車

T-35とは? -ほぼ陸上戦艦!5つも砲塔をもつ多砲塔戦車を1/144サイズで紹介

T-35重戦車とは、ソ連が開発した多砲塔戦車です。砲塔数・大きさ・搭乗員数を総合してみると世界最大の戦車と言っても過言ではありません! 全長9.6メートルにも達し、乗員は11名!砲塔は5つもあり、うち3つは機関銃でなく火砲なのです。しかも、そんな大型な戦車が60輌も生産されていました。さすがソ連の工業力!
でも砲塔が多い・大きいと強い戦車なのでしょうか?T-35の実力・実際の戦歴について見てみたいと思います。

T-35の性能(スペック)

1933年に採用された戦車としては非常に優秀です。当時ドイツはⅢ号戦車はおろか、Ⅱ号戦車すら持っていなかったことを考えると尚更。

火力 :★★☆☆☆
防御力:★★☆☆☆
機動性:★☆☆☆☆

火力

砲塔は計5つあって、火砲と呼べるものは3つ搭載されています。
主砲:76.2mm戦車砲を搭載しており、1,000mで24mm、500mで30mmの装甲を貫通できる程度でした。500m以内でドイツ初期の戦車の正面装甲(30mm)を貫ける程度ですね。
副砲:45mm戦車砲で、これは、1,000mで48mm、500mで60mmの装甲を貫通できます。(なんと主砲の2倍!)
しかも砲塔が3つもあるので、うまく連携がとれれば当時のドイツ戦車であれば無敵といった性能でした。

防御力

最大で35mmしかなく、重戦車にしては防御力は低いです。(砲塔を過重に搭載したため重量軽減のために薄くせざるを得なかった。。。)
しかし、それは序盤のみで後期になるとどんどん装甲を継ぎ足していき、最大70mm(一説には140mm)に拡大。ただ、その分重量が増して市街地でのパレードの際道路を陥没させてしまうこともあったようです。

機動力

最高速度は24km/hなので遅いですね。これもイギリス歩兵戦車の特徴で、歩兵の行進速度に合わせられれば良いので、これでよかったのです。

T-35 重戦車の戦歴


1933年に制式採用され、1935年からモスクワ防衛を担う形で配備されました。
大きさと強そうな見てくれだったので、パレードで主に用いられます。

独ソ戦

1933年の採用当時は世界水準と比べても性能が高い戦車と言えましたが、1940年にもなるとさすがに旧式化していました。そのため、大型の大砲を積んで自走砲として前線に配備される車両と、研究用として軍大学に提供される車両に分けられることになります。
ただ、1941年から始まったバルバロッサ作戦によるドイツのソ連侵攻において、ソ連は戦車不足から研究用のT-35重戦車を実戦投入することとなります。ドイツ軍によるソ連侵攻直前の1941年6月1日の時点で、合計48両のT-35重戦車が実戦配備されていました。

1941年6月22日にバルバロッサ作戦が発動され、ドイツ軍の戦車隊がぞろぞろとソ連領土内に集まってきた際、侵攻してくるドイツ軍を迎え撃つため、ソ連軍戦車師団はT-35重戦車45両、KV重戦車7両、BT快速戦車25両、T-26軽戦車238両をもって出撃します。25日までに約400kmの行軍を行い前線に近いエリアに集結します。

しかし、当時のソ連機甲部隊は整備部隊の機材や交換パーツ、輸送・牽引用車両が極端に不足しており、さらに、約400kmという当時の戦車としては異例の長距離行軍を実施したことが原因で、戦車部隊にいた48輌のT-35重戦車の内37両が故障でリタイアしていまいました。。。(ちなみに、当時の戦車は100-200kmも走れば何かしらのトラブルが発生する程度の信頼性でした)

その後、ドイツ軍との戦闘が開始され、T-35重戦車6輌が撃破されます。結果として、戦車部隊にいた48輌のT-35重戦車は全て稼働できなくなりました。。。

性能をみてもⅡ号戦車は十分に戦うことができ、Ⅲ号戦車相手でも互角かそれ以上の戦いができる戦車です。実戦でまとまった運用ができていたら、そこまで不利にはなっていなかったのですが、ソ連軍初期の無理な行軍と、整備不足が原因でほとんどが廃棄されてしまったんですよね。。。悲しい。。

ちなみに、研究用としてサラトフ戦車学校に配置されていたT-35重戦車は1942年の冬季演習に参加していて、この戦車は独ソ戦を生き延びることができたようです。(ちなみに、YoutubeでT-35と検索しても現存して動いている実物の映像を見ることができます!)

1/144サイズのT-35重戦車

1/144(144分の一サイズ)という小ささでも、T-35重戦車は細かい砲塔の1つ1つまできれいに再現されています!
T-35重戦車は、1/144戦車界隈では有名なワールドタンクミュージアムやマイクロアーマーで販売されたことがなく、手に入れることが難しい戦車です。

1/144 塗装済み完成品

アトリエインフィニティー製

アトリエインフィニティーでは、1/144の塗装済み完成品と、塗装なしキットの両方が販売されていています。特に、1/144の塗装済み完成品はキットのフォルム、塗装品質と申し分がなく、これまで見てきた1/144サイズの中でも1、2を争うほどの品質だと思います。唯一欠点をあげるとすれば、その塗装が少しはがれやすいので、ウェザリング等でメンテナンスが必要が場合があることでしょうか。ただ、これは経年劣化による点も大きいので仕方ないかな。。

アトリエインフィニティーではバラ売りで個々の1/144サイズの戦車を変えるため、お金があれば同じ種類の戦車をずらっと並べ、戦車師団なんのも作れます!(いっぱい集めたい、、、)

・1/144 T-35 1935年型

・1/144 T-35 1939年型

Panzer Depot製 1/144 T-35重戦車

Panzer Depotでは、1/144の戦車の完成品を扱っています。海外の方(おそらく個人?)が制作・販売をされていて、英語での注文になります。(日本まで仕入れた方がヤフオク等で販売されているケースもあります。その分少し高くなる。)

こちらもアトリエインフィニティー同様一つ一つ買うことができるので、おすすめです^^
・1/144 T-35 1939年型

<T-35重戦車 1933年型>

全長:    9.72m
全幅:    3.20m
全高:    3.43m
全備重量: 50.0t
乗員:    10名
エンジン:  M-17L 4ストロークV型12気筒液冷ガソリン
最大出力: 500hp/1,445rpm
最大速度: 28.9km/h
航続距離: 100km
武装:    16.5口径76.2mm戦車砲KT M1927/32またはKT-28×1 (96発)
        46口径45mm戦車砲20K×2 (226発)
        7.62mm機関銃DT×5 (10,080発)
装甲厚:   10~50mm

<T-35重戦車 1939年型>

全長:    9.72m
全幅:    3.20m
全高:    3.74m
全備重量: 54.0t
乗員:    10名
エンジン:  M-17L 4ストロークV型12気筒液冷ガソリン
最大出力: 500hp/1,445rpm
最大速度: 28.9km/h
航続距離: 120km
武装:    16.5口径76.2mm戦車砲KT-28×1 (96発)
        46口径45mm戦車砲20K×2 (226発)
        7.62mm機関銃DT×5 (10,080発)
装甲厚:   10~70mm