イギリス(英国)戦車

1/144 マチルダⅡ歩兵戦車 -ロンドンバスのエンジンで動く、重戦車の実力は?

マチルダⅡ歩兵戦車って?

ロンドンバスのエンジンに全身を装甲で塗り固めたかのような重戦車。
戦前から終戦まで、長きにわたって活用された唯一のイギリス戦車がこのマチルダⅡ歩兵戦車でした。

もうフォルムからもわかるように重装甲で、防御力が高い戦車でした!ドイツ軍やイタリア軍の戦車砲はポンポンはじいていました。

装甲をはじかれた戦車達、、、(1/144サイズ)

しかも、マチルダⅡの特徴ともいえるその重装甲ぶりは軍の要求仕様にはなく、余分に追加されたものでして。。。
余分かと思われていたら、それがその戦車の特徴になるなんてこともあるんですね!

マチルダを撃破するには、本来は対戦車用ではない、ちょっとした秘密兵器を繰り出す必要がありました。(詳しくは後述します)

生産性が高いとは言えませんでしたが、終戦までに3,000輌近くも生産されています。

マチルダⅡはフランス、北アフリカ、イタリア、一部太平洋戦線でも活躍しました。終戦まで粘り強く生き残りました。歩兵戦車という名前通り、歩兵の支援を目的に作戦行動を行う戦車で、特に北アフリカ戦線の初期で活躍しています。

砂漠地帯を突き進むマチルダⅡ歩兵戦車(1/144サイズ)

マチルダⅡ歩兵戦車は明日遅かったので、通常の部隊より2-3日早く進軍開始していた

マチルダⅡ歩兵戦車の性能(スペック)

特徴なんといっても重装甲です。言い換えるとそれ以外が全くないのですが、その重装甲故に守られた兵士も多く、敵軍にとっては脅威でした。

火力 :★★☆☆☆
防御力:★★★★☆
機動性:★☆☆☆☆

火力

主砲はボムボム砲とも呼ばれた2ポンド砲。(イギリス軍の砲はすべてポンド表記で、2ポンド砲とか、6ポンド、17ポンド砲様々あった。これは弱いと言われていたものの、実は当時のドイツ戦車も同じ能力値の砲を搭載してたんです)
装甲貫徹力は1,000mで38mm、射距離500mで53mmであるため、初期のドイツ軍主力戦車の装甲30mmと比較しても十分に撃破できうるものですね。

防御力

最大装甲厚は78mmであり、最も装甲が薄いところでも20mmと防御力に定評があります。

機動力

最高速度は24km/hであるため、最大でも自転車で本気出した時と同じ程度のスピードですね。
マチルダⅡ歩兵戦車はとろとろと進軍しました(でも、歩兵を支援するための戦車だから歩兵と一緒に進むため、早くする必要もなかったのだ!)
ちなみに、この重戦車を支えたエンジンはロンドンバスのエンジンだそうで、、、ロンドンバス万能ですな。

マチルダⅡ歩兵戦車の戦歴

フランスでの戦い

マチルダⅡの初陣は40年に勃発した、フランスのアラスという町での戦闘です。

当時爆速でフランス領内に入ってきたドイツ機甲軍団(ロンメル軍団。このマニアックサイトの読者ならお分かりのあのロンメル軍団!)をなんとか食い止めようと、フランス・イギリス連合軍が戦車を150輌ほど投入して突出したドイツ軍の側面を突こうとした戦いです。

ここに16両のマチルダⅡが参加していました。
この時対峙するドイツ軍はI号戦車、II号戦車、37mm対戦車砲でせっせと反撃をしましたが、「流石マチルダだ。なんともねぇぜ」とすべての戦車砲がはじき返され、ことごとく撃破、ドイツは師団崩壊寸前にまで追い込まれました!

しかしそこは相手がロンメル。ここで秘密兵器「8.8cm高射砲(Flak)」を投入してきます。この砲は本来戦車でなく、上空の航空機を撃墜するための砲なのですが、彼はポーランド戦でこいつが対戦車戦闘に有効であることを確認していました。

8.8cm高射砲 アメリカ軍の「敵軍の恐ろしい兵器ランキング第一位」にダントツで選ばれた功績もあるほど、連動軍を恐怖させた兵器

この8.8cmFlakの水平射撃でやっとマチルダⅡの装甲を貫通することができ、イギリス戦車隊を食い止めることができました。以後連合軍は防戦に徹することとなり、同年パリが占領されます。

北アフリカでの戦い

マチルダⅡが最も活躍したのが北アフリカ戦線です。
ここでも防御力の高さを活かし、ドイツやイタリア軍の戦車砲をはじき返し、進軍を進めることができたため「戦場の女王」とも呼ばれていました。この時イタリアの主力であったM11-39中戦車ではマチルダの装甲を貫通することはほぼ不可能である一方、マチルダⅡの主砲ではイタリア戦車の撃破は十分可能であるため、まさにアフリカで無敵の戦車といえる存在でした。
イギリス軍はマチルダとともにエジプトに攻めてきたイタリア軍を撃退し、逆に反撃し圧倒します(コンパス作戦と呼ばれる)。イタリア軍の砲845門と戦車350輌を撃破し、エジプトからリビア領に侵入、チュニジア近辺まで追い返しました。

イタリア軍の主力戦車 M11-39中戦車 マチルダの前には歯が立たなかった。。。(1/144サイズ)

イタリア軍がどんどん攻められるので、ドイツ軍が救援として北アフリカにあの”ロンメル”を召喚してきます。マチルダⅡはこのロンメルにまた苦しめられることとなります。
このときイギリス軍は「バトルアクス作戦」を進めており、100輌にもなるマチルダⅡの補給を受け、意気揚々と攻めていました。実際、ドイツのⅢ号戦車に対しては有利に戦いを進めました。
ただ、ロンメルもマチルダの対抗策として、伝家の宝刀8.8cm高射砲の水平射撃を持ち出し、マチルダⅡを撃退します。マチルダⅡは重装甲であるものの速度が遅く攻撃を受けやすいというデメリットがあり、また歩兵や陣地攻撃用の榴弾を装備できない主砲であったため砲陣地に有効な攻撃手段が少ない状態でした。
結果として50-100輌のマチルダを失うこととなり、イギリス軍は作戦を放棄することとなりました。ロンメルおそるべし!

1942年にもなるとドイツ軍にもⅣ号長砲身タイプのようなマチルダⅡの装甲でも撃破できる戦車が配備されはじめており、またアメリカからレンドリースで大量に到着したM3・M4戦車が戦力の中軸となっていたためマチルダⅡは入れ替わられる形で一線から退いていくこととなります。

ドイツの8.8cm砲は1km先からでもマチルダを撃破できた(1/144サイズ)

太平洋での戦い

マチルダⅡは少数ですが、オーストラリアにも提供され、ニューギニア地方に投入されます。重火器を全く持っていない日本軍には敵なしであり、ニューギニアから撃退することに成功しました。

1/144(144分の1)サイズのマチルダⅡ歩兵戦車

僕はマチルダⅡがイギリス戦車の中でも最も好きで、特に北アフリカの砂漠地帯とマチルダのデザインがマッチしているところが良いと思ってます!! 砂漠の彼方から砂ぼこりをぞろぞろあげて迫りくる重装甲軍団にドイツ・イタリア軍は恐れおののいたでしょう。
実際に200輌近くのマチルダがまとまって攻めてきたこともあったらしく、1/144サイズならそんなマチルダ戦車師団も再現できますね。

1/144という小さいサイズだと、どんな戦車もその特徴が見えにくくなりますが、足回りまで装甲に覆われていてマチルダの重装甲ぶりが感じられます。

1/144サイズではワールドタンクミュージアムやマイクロアーマー等の大御所の販売実績がなく、手に入れることが非常に困難な戦車となっています。
ただ、そんな中でもマチルダⅡは根強い人気があるため、1/144では塗装済み完成品と塗装なし組み立てキットの両方を手に入れることができます。

1/144 塗装済み完成品

アトリエインフィニティー製

アトリエインフィニティーでは、1/144の塗装済み完成品と、塗装なしキットの両方が販売されていています。特に、1/144の塗装済み完成品はキットのフォルム、塗装品質と申し分がなく、これまで見てきた1/144サイズの中でも1、2を争うほどの品質だと思います。唯一欠点をあげるとすれば、その塗装が少しはがれやすいので、ウェザリング等でメンテナンスが必要が場合があることでしょうか。ただ、これは経年劣化による点も大きいので仕方ないかな。。

お金があれば同じ種類の戦車をずらっと並べ、戦車師団を作りたいですね!